JR中央線 三鷹 (武蔵野市、吉祥寺) 所属税理士の日記

JR中央線、三鷹にある税理士事務所、宮内会計事務所に勤める所属税理士です。 税法や会計など、特に重要な話を抜粋したミラーブログです。

リサイクル料 の会計処理

吉祥寺(武蔵野市三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。


自宅の冷蔵庫が壊れてしまったので
やむを得ず急遽買い替えを行い、
新しい冷蔵庫の代金と同時に、
古い冷蔵庫についてリサイクル料を支払いました。


この家電リサイクル料というのは、
エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機・乾燥機の
家電特定4品目の廃棄に際して徴収される費用で、
現在は今回の私のように廃棄をする段になって支払う
後払い方式になっているわけですけれども、
これを、車やパソコンのリサイクル料のように
前払い方式に切り替えるべきという意見があります。


これは、リサイクル料の支払いを嫌って、
使えなくなった古いテレビや冷蔵庫を
山間部などに不法投棄する事例が増えている為。


ならば自動車同様に購入時に負担する形にすれば、
支払いを嫌ってこっそりと捨てる事例も
減るだろうという考えであり、
環境省が数年前に要望を出したのですが、
販売価格が高くなって売れなくなってしまうという
メーカーと販売店からの反対などもあって
2007年に一度、これを断念しています。


しかし、TV放送のデジタル化に伴って
旧来のアナログTVが不法投棄される事例が増え、
再びこの問題が議論の俎上に上がってきています。


私としては、どう考えてもこれは、
前払い制度にするしかないだろうと考えています。


ネット上を調べたところ、これよりさらに進んで
デポジット制を取り入れてもいいのではないか、
という主張もありましたが、
これも、検討に値する意見だと思います。



ところで、前払い方式になっている場合、
リサイクル料の会計処理はどのようになるのでしょう。


自動車リサイクル料を例にして説明します。


自動車の構成部品などのリサイクルが行われるのは
当然、その自動車を廃車にした時点であり、
購入をした時点ではありません。


つまり、支払いを行った段階では
それはまだ実現していない将来の費用の、
まさしく「前払い」であるという考えから、
これは費用処理することなく、
資産計上をするのが適正とされています。


具体的には「リサイクル預託金」という勘定科目を作るか、
あるいは「長期前払費用」等を用いて処理します。


なお、支払額のうちの「資金管理手数料」については、
リサイクル預託金とは性格を異にするものですので、
支払をした時点で費用計上することが可能です。


資産計上した預託金については、
その車を廃車にした時点で費用科目への振替を行います。



実務上は購入時に費用処理をしてしまうことも多いようですが、
原則的処理、本来的処理としては、
資産計上が適正だとされているということは、
覚えておいてください。



なお、家電リサイクル料のような後払い方式であれば、
それはまさしく廃棄処分をする時に支払うものなので、
普通に支払い時の費用処理をして問題ありません。