資本的支出と修繕費(その1)
【 >(その2)を読む 】
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。
建物、機械、車両などの固定資産を
修理したり改良したりする費用は、
その内容や金額によって
とるべき会計処理が変わってきます。
具体的には全額を経費として処理をして
支出を行った期の損金に参入するのか、
あるいは一旦、支出額を資産に計上した上で
減価償却費を行って耐用年数の期間に渡って
徐々に費用化して行くのか、ということです。
このエントリをお読みの皆さんはもしかしたら、
「金額が大きいものは資産計上しなければならない」と
どこかで聞いたことがおありかもしれません。
非常におおざっぱな認識としてはそれでいいのですが、
ここは会計事務所職員のブログらしく、
きちんとした処理方法、どういう基準を用いて
費用処理と資産計上のどちらを選択すべきかを
判定するのかを説明して行こうと思います。
さて。
費用で処理するか資産で処理するかを考える場合には、
まず「資本的支出」について説明しなければなりません。
既にある固定資産に対して何らかの出費が行われる、
そういうケースとしては例えば不良個所の修理や交換、
新機能の追加など等々、色々な理由が考えられます。
これ等の出費を全て支出時の費用として損金処理することが
このブログでも2010年末から翌年頭にかけて
3回に渡って減価償却(その1/その2/その3)の項目で
説明した期間損益の把握という観点から適切なのかどうか。
言い換えれば、複数年に渡って利益を生み出すような
固定資産に対する出費であれば、
それも本体同様に一旦固定資産とした上で
耐用年数に応じた減価償却処理を行うことで
徐々に費用化すべきではないか、ということです。
この、固定資産に対する追加出費について、
資産計上するという考えを「資本的支出」と言います。
これが、今回のエントリの冒頭にも書いた
「金額が大きいものは資産計上しなければならない」
という話に対応する考え方になります。
とはいえ、単にちょっとした不具合を直しただけ、
というような出費までもが全て
資産計上をしなければいけないというのであれば、
それはそれで変な話ですよね。
これについては、その支出の内容に応じて、
「資本的支出」として処理するべきものと
支出時の費用として一括で損金処理すべきものと、
その区分の仕方が税法的にも決められていますので
次はそこを具体的に説明していく流れになるわけですが、
少々ばかり文章が長くなりそうなので、
それは次回に回したいと思います。
なるべく早め、月末までには公開したいと考えていますので、
もうしわけありませんが、少しだけお待ちください。