JR中央線 三鷹 (武蔵野市、吉祥寺) 所属税理士の日記

JR中央線、三鷹にある税理士事務所、宮内会計事務所に勤める所属税理士です。 税法や会計など、特に重要な話を抜粋したミラーブログです。

令和2年 民法改正(賃貸借)

Web担当です。

 

2020年はここまで新型コロナウイルス問題が
あまりに大変なことになっていることから、
他の事にまで頭が回らない状態になっている
という方がかなり多いかとお察しいたします。

 

そのような状況でも年度が新しくなれば、
様々な法改正が行われています。

 

以前にも税法関係の改正で注目すべきことを
とりあえずいくつか紹介しましたけれども、
今回は民法の改正、特に契約関係についての
改正から賃貸借に関するものを紹介します。

 

居住用あるいは事務所用として不動産を
賃借している場合に、退去時の修繕費負担、
原状回復義務については、「東京ルール」と
呼ばれる東京都の条例はありましたが、
全国的には法律上の規定が存在せず、
裁判での判例に従って判断されてきました。

 

今回の民法改正ではそれに基づいた形で
「通常の使用によって生じた損耗(通常損耗)や
時の経過によって自然に傷んでいく経年劣化に
ついては、借り手は原状回復義務を負わない」
ことが法律として明文化されることになりました。

 

東京ルールでも「直射日光で壁紙が退色した」ことや
「テレビや冷蔵庫の後ろの壁が電気焼けした」こと、
「家具を設置したことでで床がへこんだ」ことなどは
賃借人ではなくオーナーが負担すべきものでしたが、
今回の改正では東京ルールと同様の義務範囲が
法律としてはっきりと明記されたわけですね。

 

また、入居時に支払う「敷金」についても、
「保証金」などの名称の違いに係わらず
「家賃の滞納や借り手の故意・過失によって
必要となった修繕費に充当する目的で借り手が
貸主に交付する金銭である」と定義され、
退出時の差引する控除(滞納家賃や修繕費など)
の範囲とともに返金ルールが規定されました。

 

賃貸借で退去時などにトラブルになることが
多い事柄について明確なルールが民法上に
はっきりと規定されたのは、基本的にプラスに
考えていいことであるといえるでしょう。

 

賃貸借関係ではこれ以外にも今回の改正で
明確化されたことがいくつかありますから、
それを分かりやすく解説している法務省
パンフレットへのリンクを掲載しておきますので、
お時間のある時にでもご一読ください。

 


令和2年 賃貸借に係わる民法改正のパンフレット

 

今回の改正ではこれ以外にも変更になった
重要な事項がいくつか存在しますので、
それ等についても順次、このブログにおいて
簡単に説明をさせていただいていきます。