JR中央線 三鷹 (武蔵野市、吉祥寺) 所属税理士の日記

JR中央線、三鷹にある税理士事務所、宮内会計事務所に勤める所属税理士です。 税法や会計など、特に重要な話を抜粋したミラーブログです。

合計100億円

JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

 

このブログでこれまでにも
何回か書いてきていますけれど、
ビットコインに代表される仮想通貨の
取引に係る税法の取扱いは周知が浅く、
具体的にどういう時にどのように税金がかかるのか
分かっていないという人も多いと思われます。

 

そのため、本来なら確定申告書を作成・提出して
きちんと納税を行わなければいけなかったのに
知らずに無申告になってしまった人もいるでしょう。

 

それでも、知らずに申告をしていなかった場合は
情状酌量の余地もあると思いますけれども、
納税義務があることを知っていて税金の支払を
逃れようとする「脱税」行為はそれとは話が別です。

 

先日報じられていたニュースを読んだところでは、
仮想通貨取引に関して今年3月までの数年間で
全国で少なくとも50人と30社が得られた利益を
申告していなかった(いわゆる「申告漏れ」)ことを
国税当局に指摘されていたのだそうです。

 

その申告漏れの総額、何と100億円。

 

うちの70億円は他人名義を使った所得隠しや
故意に実際よりも少ない利益を申告する
悪質な所得隠しに該当すると判断されて、
高額の重加算税を賦課されただけではなく、
脱税容疑での告発も検討されているのだとか。

 

仮想通貨取引に関しては「億り人」等という
言葉が取りざたされたこともあったように
一昨年の末にかけての相場の高騰で
億の単位での利益を獲得した人も出ました。

 

そういう人達がみんなきちんと申告したのか、
申告をしていない人も実は多いのではないか。

 

そんな風に思って、見せしめではないけれど
どこかのタイミングで無申告の摘発が行われ
大々的に報道されるのではないだろうかと
何となく予想はしていたのですけれど……

 

そういうニュースは大体の場合、確定申告時期の
直前にされるということが多いことを考えると、
ちょっと早めに話が出てきたなというところです。

 

以前ほどではないものの最近のビットコイン
レートが上昇傾向にあったことを受けて、
利益が出たならば申告をしなければいけないと、
そういう意識を促すための報道なのでしょう。

 

国税庁ホームページにおいて公開されている
仮想通貨に関する税務上の取扱いの
Q&Aへのリンクを以下に貼っておきます。

 

「仮想通貨に関する事務上の取扱いについて(FAQ)」

 

確定申告手続きのための利益計算などは
従来は専門的知識が必要で結構な手間も
かかるようなものだったのですけれども、
その辺りも株の売買取引などを同じように
簡便化できるように制度も変わりつつあります。

 

年内に仮想通貨取引で利益を出した場合は
確定申告が必要になるということがあることを
記憶に留め置いていただければと思います。