JR中央線 三鷹 (武蔵野市、吉祥寺) 所属税理士の日記

JR中央線、三鷹にある税理士事務所、宮内会計事務所に勤める所属税理士です。 税法や会計など、特に重要な話を抜粋したミラーブログです。

復興特別法人税と無申告加算税

国税庁ホームページ吉祥寺(武蔵野市三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。


所得税法人税、消費税といった
「申告納税方式」を採用している税金は、
納税義務がある者に収入があったとしても
諸控除などを反映させて計算した結果、
納めるべき税額が無かった場合には
申告書の提出を要さない規定となっています。


それは、平成24年4月から平成27年3月31日までの間に
開始する各事業年度につき法人に課されることになる
復興特別法人税についても同じことです。


この税金の課税標準、つまり税率を乗じられる元となるのは、
その事業年度の法人税として算出された金額です。


つまり、赤字その他の理由で法人税額がない法人については
復興特別法人税についてもまた納付すべき税額が無いので、
同税に関しては確定申告書を提出する義務がありません。


余計な事務の手間を減らすという観点からは、
そのようなケースでわざわざ申告書を作成するのは
むしろ意味がないということになりますけれども、
ただ、だからといって申告書と提出しないことには
一定のリスクが伴う事が明らかになりました。

それは、「無申告加算税」に関する問題。


これは、国税通則法に定められたものであり、
本来申告書が提出されなければならなかった税金につき
何らかの理由で提出が成されなかった場合に、
その税額に対して一定の税率を乗じる形で加算される、
税金に関する「罰金」と言えるもの。


その税率は、税務調査前に自発的に期限後を行ったか
正当な理由があると認められる場合で5%、
それ以外の場合は20%(税額50万円までは15%)と、
かなり高めのものとなっています。


この無申告加算税が復興特別法人税
絡んでくるのは、次のようなものが想定されます。


それが、各法人がそれぞれの事業年度につき行った
法人税の確定申告について税務調査その他により、
後になってから何らかの不備による修正申告が行われて、
当初0円とされていた法人税が発生した場合で、
復興特別法人税については当初、
申告書を提出していなかったというようなケースです。


課税標準となる金額が生じるわけですから、
当然、復興特別法人税についても納付額が発生します。


納めるべき税額が算出された場合には
納税義務者は申告書を提出しなければならないので、
税額0円ということで当初作成していなかった会社も
このタイミングで復興特別法人税申告書を作り、
それを納税地の所轄税務署に提出しなければなりません。


この場合において、その法人については
本来提出すべきであった納税申告書を
提出していなかったという扱いになるのです。


つまり、そこには無申告加算税が発生します。


ちなみにこの場合には、無申告加算税だけではなく、
延滞税も発生するということにも、ご留意ください。


復興特別法人税の申告期限は法人税と同じなので、
その事業年度の本来の申告期限は
決算月の翌々月最終日(特例による例外あり)であり、
そこから修正申告により納税した日までの期間に対し
利子に相当する延滞税が課せられるのです。



納めなければいけない税金があるのを承知で
わざと申告していかったわけでもなく、
法に則った判断で提出をしていなかったのに
延滞税はともかく無申告加算税まで課されるのは
正直、ちょっとキツいですよね。


これを回避する方法は単純にして明快。


例え計算の結果税額が発生しない場合でも、
税額が0円である旨を記載した申告書を
当初の申告期限内に提出してしまえばいいのです。


いわゆる「ゼロ申告」ですね。


無申告加算税を課されるリスクを避けたければ、
どんな赤字で法人税が発生しなくても、
極論を言えば1億円の損失が出ているとしても
復興特別法人税の「ゼロ申告」をしておくこと。


テクニック的な話になりますが、
今回の結論はそういうことになります。