JR中央線 三鷹 (武蔵野市、吉祥寺) 所属税理士の日記

JR中央線、三鷹にある税理士事務所、宮内会計事務所に勤める所属税理士です。 税法や会計など、特に重要な話を抜粋したミラーブログです。

消費税法改正について その5

JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

 

前回は適格請求書発行事業者
が発行した請求書以外の支出は
消費税等の納付税額の計算上
仕入税額控除に使えなくなる
ということをご説明しました。

 

このことがどのような影響を及ぼす
ことになっていくのかですけれども、
ここで大きなポイントになるのが、
適格請求書発行事業者になる為の
登録を申請することができるのが
課税事業者だけであるということです。

 

理屈から考えればむしろこれは当然で、
これまで免税事業者からの購入でも
課税仕入として処理していたことの方が
おかしかったのだと言えるでしょう。

 

つまり、厳密には払ってもいない消費税を
払ったものとして、売上時に預かった
消費税から差引きを行っていたのですから。

 

この点に関して国税庁が昨年4月に
作成したリーフレットがこちらです。

 

「消費税の仕入税額控除の方式として
適格請求書保存方式が導入されます」

 

この件に関しては異論反論も出ていますが、

現状はこのまま制度が適用されると

考えておいたほうが無難だと思います。

 

このことから、令和4年10月以降には
同じ仕事をする外注先が2社存在して、
A社は課税事業者でB社は免税事業者
というようなことがあった場合に、
課税仕入にできないB社ではなくて
できるA社ばかりに仕事の発注が
されることになることも考えられます。

 

もちろん、仕事の発注はそれまでの
取引履歴や実績であったり、相手との
人間関係でなされたりする面もあって、
単純に課税事業者かそうでないかだけで
決まるものではないのでしょうけれど、
可能性としては、在り得ることです。

 

そうして売上先1つを失うくらいであれば、
本来ならば免税事業者になれるところを
敢えて課税事業者になるという選択肢を
選ぶと言うことも無い話ではないでしょう。

 

つまり、納税地を管轄する税務署に対し
「課税事業所選択届出書」を出すと同時に
適格請求書発行事業者も申請するのです。

 

現在免税事業者として仕事をしている
小規模な事業者については、これから
令和4年までの間にこの件に関する
対応をどうするかを考える必要があります。

 

すなわち、課税事業者になることによる
メリットとデメリットをリストアップして
比較検討を行わなければなりません。

 

これは例えば2~3日くらいであっさりと
考えを決められることではないでしょう。

 

となれば、今のこの段階からじっくりと
時間をかけて考えていかなければ
ならないのではないかと思えます。

 

当事務所のような税理士事務所などの
専門家にご相談されることをお勧めします。

 

今年10月の消費税法改正については
軽減税率の導入ばかりがクローズアップ
されていて、確かにそれは私たち個々人の
生活に直結しても来ることですから
仕方のない事でもあるのでしょうけれども、
実は結構大きな改正事項でもある
適格請求書発行事業者と仕入税額控除の
話はほとんど話題になっていないようです。

 

そこが少し気になって仕方が無かったので、
こうしてエントリ1回を使って説明しました。