JR中央線 三鷹 (武蔵野市、吉祥寺) 所属税理士の日記

JR中央線、三鷹にある税理士事務所、宮内会計事務所に勤める所属税理士です。 税法や会計など、特に重要な話を抜粋したミラーブログです。

消費税法改正について その3

JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

 

今回は前回に予告をさせていただいた通り、
10月に予定されている消費税の税率の改正と
軽減税率の導入に伴って、請求書の記載内容も
変わるということを簡単な図を使って説明します。

 

まず前提として、通常の税率と軽減税率という
2つの税率が併存することとなったことにより、
請求書にはその取引がどちらの税率が
適用されるものであるのかという情報を
記載しなければならなくなったということがあります。

 

これは、その会社が軽減税率が適用されるような
ものを取り扱ったいない場合であっても変わりません。

 

売却等をした側と購入した側との双方が明示的に
どの商品にはどちらの税率が適用されるのかを
はっきりと把握し、適切な会計処理を行うことを、
そういう形で担保するのだと考えてもいいでしょう。

 

つまり、「10%の商品を10,000円売っただけ」
という場合にも、「10%取引は10,000円」であり
「8%取引は0円」であるということを示すのです。

 

改正される消費税法が求める請求書の方式を
「適格請求書」といいますが、一般的には
「日本型インボイス」あるいは「インボイス」と
呼ばれていることも多いと思います。

 

また、「適格請求書」導入に関しては、ただ単に
請求書の書式が変わるというだけではなくて、
仕入税額控除に関する大きな改正が存在します。

 

詳しくは次回以降に説明しようかと思いますが、
その改正内容までをいきなり10月から
適用させようとするのはさすがに無理なので、
実際には税率等の改正から4年後にあたる
令和5年の10月から「適格請求書保存方式」
への切替が行われるということになっています。

 

とはいえ、軽減税率自体は導入されますし、
10%取引と8%取引の区分については
行われないと困ってしまいますよね。

 

そこで、経過措置的な扱いとして「適格請求書」が
義務化される令和5年10月までの間は
「区分記載請求書」という方式によって
各事業者は対応をするということになります。

 

書式は幾つか例示されているのですが、
代表的と思われるものを以下に示します。

 

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「区分記載請求書(例)」

 

画像をクリックすると拡大表示されますが、
こういう請求書を発行することになります。

 

従来の請求書に追加される記載必要事項は
「軽減税率の対象となる売上が
 ある場合はその旨」
「税率ごとの合計額(税込)」
の2点(前者は①と③、後者は②)になります。

 

他の書式の例などは、当事務所等に
お問い合わせいただいてもいいですし、
国税庁「手引き」などをご覧いただくのも
いいのではないかと思います。

 

市販の販売管理ソフト等をご利用の場合は
おそらくメーカーが対応したバージョンアップを
行うのではないかと思われますけれども、
エクセルなどで請求書を作成している場合、
今のうちに、改正に対応した書式の作成を
済ませてしまうことをお勧めいたします。

 

なお、令和5年10月からの「適格請求書」の
例も下に掲載しておきますが、ぱっと見た
感じでは「区分記載請求書」とそんなに大きく
違うようには感じられないのではないでしょうか。

 

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「適格請求書(例)」

 

ただ、お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、
この「適格請求書」には右下のところに
それまでは存在しなかった「登録番号」という
「T」から始まる番号が記載されています。

 

実は、これが仕入税額控除の改正に
関係してくる重要な部分になります。

 

長くなったので、今回はここで分割します。