JR中央線 三鷹 (武蔵野市、吉祥寺) 所属税理士の日記

JR中央線、三鷹にある税理士事務所、宮内会計事務所に勤める所属税理士です。 税法や会計など、特に重要な話を抜粋したミラーブログです。

軽減税率の行方は?

吉祥寺(武蔵野市三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。


麻生財務大臣が外遊先のトルコで、
消費税率の10%に引き上げに合わせ
導入が検討されている軽減税率について、
「面倒くさい」から見送る意向だ
ということを記者団に示したとか。


言いたいことは分からなくもないけれど、
その表現は、どうなんだろうというところですね。


ではその代わりにどういう対策をするのか。


そもそも軽減税率は、消費税というのが
低所得者であるほど収入に対する負担率が
高くなる性格を持つ税金であることから、
増税によってさらに低所得者の生活を
圧迫するのを避けるべく食料品などには
通常よりも低い税率を適用しよう、
ということで導入が検討されるものでしたよね。


報道によると、財務省としては消費者が
飲食料品について支出したであろう消費税の内の、
税率2%分に相当する金額を後程
給付するという形での対応を検討しているそう。


しかし、その方法をとるのであれば、
誰がどれくらい飲食料品購入費を支払ったか、
それをどう把握するのかが問題になりますよね。


領収書などの提出を求めるなんていうのは、
全くもって現実的ではありませんし。


そこで、所得と世帯人数に応じて
こういう収入でこういう家族構成だったら
食費はこれくらいかかるだろうというのを推定し、
その2%相当額を還付するというのが
現時点での財務省案である模様。


税法というのは、極力、恣意性の介在を
排除する方向で作られているはずなのですが、
「推定」という行為には恣意性が入り込む隙が
いくらでもありそうなようにも思えます。


どうやって給付をするのかということも含め、
あちこちに曖昧さが残っているように思えて
そこがいかにも気になってしまうところです。