JR中央線 三鷹 (武蔵野市、吉祥寺) 所属税理士の日記

JR中央線、三鷹にある税理士事務所、宮内会計事務所に勤める所属税理士です。 税法や会計など、特に重要な話を抜粋したミラーブログです。

7年、そして10年

吉祥寺(武蔵野市三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。


ちょっと前のことですが、つくばエクスプレス(TX)を
運営している首都圏新都市鉄道株式会社が
法人税法の規程であれば本来7年間は保存すべき
領収証をわずか1年の保管で破棄していた為に
国税から是正指導を受けたというニュースがありました。


帳簿書類等の保存期間に関する法人税の規程を
ここで改めて簡単に説明させていただくと、
請求書、納品書、領収証等の証憑書類と、
総勘定元帳との両方を基本的には決算終了から
7年の間保存しなければならないという旨が
はっきりと法律の中で謳われています。


今回の首都圏新鉄道のケースはこの規定の違反で、
各駅での定期券や切符の領収証が捨てられていたそう。


是正指導も口頭でのものということですし
そもそもこの違反そのものには罰則も無いので
そこまでのおおごとにはなっていませんけれど、
法律違反であることには間違いありませんし
今後のしっかりした対応が求められています。


領収証の保存を怠ったことで会社が被る不利益は
単純に、以前の取引の詳細が確認できなくなる、
ということに尽きると言うことができると思います。


税務調査等があった際に過去の取引実態について
説明・証明をすることができなくなりますし、
消費税の計算における仕入税額控除が
否定されてしまうという可能性も十分にあります。


また、社内で不正行為が行われたことが発覚した際に
その内部調査をする為の材料も無くなってしまいますね。


これは、結構なマイナスですよね。


なお、上では保存期間を「7年」と書きましたが、
これはあくまでも基本的な話であって、
青色欠損金額の繰越控除制度の規定の適用を
受けている法人の場合にはその繰越期間、
最長で9年間の保存が義務付けられるケースも。


さらに、会社法では会計帳簿及び重要な資料と
計算書類及びその附属明細書については
10年間の保存が求められていますし、
許認可の関係で10年分の書類が必要になる
こともありますので、実際のところは
10年間の保存というのが無難だと言えます。


とはいえ、ペーパーの資料を大量に保存するというのは
確かに大いに場所をとって邪魔にもなったりしますし、
できればやりたくないと考えるも分からなくはありません。


それを回避する為の電子帳簿保存という方法もありますが、
これについてはまた別の機会に説明させていただきます。



国税庁タックスアンサー No.5930
「帳簿書類等の保存期間及び保存方法」