JR中央線 三鷹 (武蔵野市、吉祥寺) 所属税理士の日記

JR中央線、三鷹にある税理士事務所、宮内会計事務所に勤める所属税理士です。 税法や会計など、特に重要な話を抜粋したミラーブログです。

消費税の事業者免税点制度改正

国税庁ホームページ吉祥寺(武蔵野市三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。


以前のエントリでご説明したように、
現行の消費税法においては、
小規模事業者に対して消費税の納税義務を免除する、
いわゆる免税点の制度があります。


その時にも書きましたが、
この免税点の要件を満たすかどうかの判定は現状、
対象となる課税期間の2期前の課税期間の
課税売上高が幾らであったかにより、
行うこととされています。


これに対し、ここで書いたように、
平成23年度税制改正予定の内容として、
この消費税の免税点制度について、
「課税売上高が1,000万円を超えることが
 期の途中で明らかとなった場合には、
 その翌期から課税事業者とする」

という話が出てきました。


これ、言うのは簡単ですが、
税務当局がどのようにして
期の途中における課税売上高を把握するのかが、
ニュースを読んだだけでは
良く分かりませんでした。


全ての事業者に仮決算方式による
中間申告を義務付けるのかと、
実際の運用をどのような形にしてくるのか、
大いに興味を惹かれるところだったのですけれど……


その後、いくつかの続報もありましたので、
現時点で分かっている範囲で
この件に関する方向性を書いておきましょう。




まず、この判定を行なうのは
その事業年度の上半期(特定期間)が終わった時点。


そして、事業者に事務負担の大きい
仮決算方式を義務付けることは見送られ、
その代わりとなる方法で、
半期の時点での課税売上高を推測します。


その指針として採用されたのが、支払給与の合計額。


給与を1,000万円以上支払っているのであれば、
一般論として、その会社の課税売上高も
1,000万円を超えているだろう、
というのがその理由。


うん、まあ、分かる話、です。


ただし、絶対に給与を指針として
課税・免税の判定しなければならないわけではなくて、
実際に仮決算を行うことで
判定を行なうこともできるようです。


つまり、その事業者にとって
複合的に考えてこちらが良いだろう、
と思われる方式を
選択適用するというわけですね。


法人は平成24年10月1日以降開始の事業年度から、
個人は平成25年1月1日から適用を予定しているよう。


何しろ今の国会がああいう状態ですから、
この改正案もどうなるやら分からない部分は
もちろんあるのですが……


従来より消費税の課税・免税、
簡易課税制度の適用有無については
慎重な判断が必要でしたが、
この改正案が成立した場合には、
消費税についてまた1つ、
常に意識しておかなければならない項目が
増えることになります。