JR中央線 三鷹 (武蔵野市、吉祥寺) 所属税理士の日記

JR中央線、三鷹にある税理士事務所、宮内会計事務所に勤める所属税理士です。 税法や会計など、特に重要な話を抜粋したミラーブログです。

定率法償却率の変更

国税庁ホームページ吉祥寺(武蔵野市三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。


今回は、減価償却に関する
税法の改正について、
簡単に説明します。


厳しい経済・財政状況などを反映して、
来月4月1日以降に取得する
減価償却資産については
定率法の減価償却率が
従来のものの4/5に見直されることになりました。



そもそも現在の定率法の償却率は、
平成19年4月の減価償却に関する税制改正で、
スクラップとして売却する場合の資産価値として
その資産を処分するまでは費用化されるに残されていた
残存価格(取得価額の5%相当額)が廃止され、
その全額を耐用年数に分散して
費用化できることとなったことを受け、算定されたものです。


厳密には、簿価を0円にして
完全に貸借対照表から削除するのではなく、
備忘記録として1円の簿価は、残るのですが。


ともあれ、この時の大きな改正により、
5%の残存価格があることを前提にしていた
それまでの減価償却率は
改めて設定をし直す必要が生じました。


耐用年数に渡って毎年同額を費用化する定率法であれば
話はいたって簡単ですけれども、
毎年、残存簿価に対して一定の割合を乗じる定率法では、
その償却率の算定を行おうとすると
その算出作業はかなり大変なものとなります。


そこで、この平成19年改正の際の
償却率見直しにあたって国税庁は、
ちょっと強引というか、単純な算定方法を選択しました。


それが、それまでに使っていた償却率を
単純に2.5倍する、というもの。


そのような、ある意味では適当な方法を使って
現行の定率法償却率は決められていたので、
それをもう一度算定しなおすにあたっても、
実際、大した手間はかかっていません。


具体的には、平成19年3月までに適用されていた
旧定率法の償却率に乗じる数値が、
2.5倍から2倍に変更されるというだけ。


つまり、数学的になんらかの根拠がある数字を
使っているわけでは無いというのが、実情です。


なお、同時に保証率も変更になりますので、
改正後の減価償却費を計算していくにあたっては、
その点にもご注意下さい。



改正時期をまたぐ事業年度においては、
同一の年度に取得した資産について
複数の償却率が存在することになってしまうので、
それは事務的に煩雑であろうということで、
どちらかの償却率に統一して計算を行う特例があります。


そのことも含め、今回の改正について説明している
国税庁の作ったパンフレット
「法人の減価償却制度の改正に関するQ&A」があるので、
その PDFファイル へのリンクを掲載しておきます。


法人の減価償却制度の改正に関するQ&A


興味のある方は、ご一読下さい。